政策提言2023.10.06

「緊急提言!スイッチOTC推進フォーラム」を開催■10月2日(月)

スイッチOTC医薬品を取り巻く諸課題に知見を有する専門家が登壇

政策提言書『偽造医薬品横行の個人輸入問題と、
スイッチOTC医薬品推進のための5つの提言』を発表

  一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会(東京都港区、代表理事:増田寛也)は、2023年10月2日(月)に「緊急提言!スイッチOTC推進フォーラム」と題するメディアフォーラムを開催し、政策提言書『偽造医薬品横行の個人輸入問題と、スイッチOTC医薬品推進のための5つの提言』を発表いたしました。

武藤氏「医師と薬剤師が協働して患者に医療を提供する中で、OTCの価値が見出される」

 本フォーラムでは、はじめに基調講演①として、日本パブリックアフェアーズ協会アドバイザーであり、政策提言書の執筆監修者でもある日本医療伝道会衣笠病院グループ理事 日本ヘルスケア協会 会員の武藤正樹氏より「偽造医薬品横行の個人輸入問題と、スイッチOTC医薬品推進のための5つの提言」と題して政策提言書の発表趣旨や内容について講演いただきました。続けて基調講演②として、昭和薬科大学元学長で一般社団法人偽造医薬品等情報センター センター長の西島 正弘氏より「個人輸入医薬品による健康被害等について」をテーマとした講演を頂戴しました。

 武藤氏からは、「医師の働き方改革のことも考慮に入れると、医師と薬剤師が協働して患者の治療に携わる医療が広がる中で、OTCの価値を見出していくことが重要だ」とのコメントがあり、「生活習慣病薬」「ED治療薬」「性感染症検査薬」がOTC化なされた場合のベネフィットについてもケーススタディとして言及がありました。そのうえで、セルフメディケーション推進のためにスイッチOTC医薬品の普及拡大の必要性と必要な施策を提言として発表いただきました。

西島氏「個人輸入を含め、医薬品に対する国民のリテラシーを上げることが重要」

 西島氏は医薬品の個人輸入問題に触れ、「一般の個人でも医薬品の輸入が可能となっているのは、外国で受けた薬物治療を継続する必要がある場合や、海外からの旅行者が常備薬として携行する場合などへの配慮によるものである」として、偽造医薬品等情報センターで受けた消費者からの健康被害に関する相談内容の一部を紹介いただきました。

磯部氏「品質が確保されたスイッチOTCという選択肢が国民に与えられていることが重要。」
飯島氏「スイッチOTCが進めば、薬局が地域住民のファーストアクセスの場となる。」
佐田氏「タスクシフトの観点からも、必要に応じて医師につなぐ医療の実現を。」

 基調講演の後に、日本OTC医薬品協会 理事長 磯部総一郎氏、上田薬剤師会 常務理事 飯島裕也氏、徳島大学 大学院医歯薬学研究部 循環器内科学分野 教授 日本血管不全学会 理事長 佐田政隆氏を交えまして、3つのテーマ(テーマ①『スイッチOTC化の課題と社会的なベネフィット』テーマ②『スイッチOTC推進がもたらす消費者へのベネフィット』テーマ③『スイッチOTC推進のために政府が取り組むべきこと』)について、パネルディスカッションを行いました。磯部氏からは「品質が確保されたスイッチOTCという選択肢があるということが重要。偽造薬のリスクから守るという視点でも考えるべきだ」とのご意見を頂戴し、飯島氏からは「スイッチOTCが進めば、薬剤師の重要性が増して薬局が地域住民のファーストアクセスの場となり、医師の負担軽減や国民皆保険制度の持続性確保につながる」とのコメントを頂戴しました。さらに、佐田氏からは「薬剤師がOTCを活用して服薬指導をし、必要に応じて医師につなぐ医療の実現が重要だ」としてスイッチOTC医薬品の利活用拡大を支持するご意見がございました。

弊協会では、今後も、市民、学者、政治家、行政が参加するオープンな議論と政策検討の場を用意する「パブリックアフェアーズ活動」の概念普及を推進し、政府機関だけでは解決策を考察・実行することが困難な社会課題に対し、民間の活力と叡智を取り入れた解決策を提供していくための議論や研究を行ってまいります。

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