政策提言2020.09.09

「ポスト・コロナ社会におけるニューノーマルな働き方」を発表

 一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会理事である慶應義塾大学大学院経営管理研究科の岩本隆特任教授は2020年9月9日、レポート『ポスト・コロナ社会におけるニューノーマルな働き方~「WorkTech×フリーランス」がもたらす潜在的労働力活用と経済成長~』を発表しました。

サマリー

・ポスト・コロナ社会における「ニューノーマルな働き方」として期待される「WorkTech×フリーランス」について、潜在的労働力活用と経済成長の観点からその可能性を検討

・フリーランスは昨今、多様な働き方の一つとして注目され、2020年7月の未来投資会議や財政諮問会議でも議論されている

・一方、米国ではフリーランス人口が約5,700万人(労働人口全体の約35%)であるのに対し、日本では約462万人(同約7%)に留まっている

・レポートでは、日本におけるフリーランス潜在層についての可能性や課題を明らかにした上で、必要な政策を提言

《分析内容》

【1】潜在的フリーランス人口とその経済効果

・約2,149万人がフリーランス潜在層と推計された。また、この潜在層が労働力として活用された場合の経済効果として、国民総所得(GNI)が約69兆円の増加が見込めることがわかった。2022年度の政府目標の未達分である約85兆円を大きくカバーする数値である。

 

【2】WorkTech活用によるシナジー効果(「WorkTech×フリーランス」の可能性)

・フリーランス潜在層を活用する鍵となる「WorkTech(ワークテック)」は国内外で徐々に浸透してきている

・WorkTechの活用により、フリーランスの特徴である場所や時間の制約を受けない働き方の実現や、実績のデータ化によるマッチング精度やスピードの向上、仲介サービスを介した不特定多数のフリーランスへの業務委託など多くのシナジー効果が期待される

 

【3】「WorkTech×フリーランス」普及を妨げる諸課題

・フリーランスと特にシナジー効果の高いWorkTechであるクラウドソーシング関連サービスは近年増加傾向にあるものの、世界市場に比較すると桁が小さく、WorkTechの認知度不足が課題として挙げられる

・その他にも、発注スキル不足や品質への不安、フリーランス保護のセーフティネット不足等が課題である

《提言》

・優良事業者認証制度を創設する
・フリーランス向け総合プラットフォームを創設する

 

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